最終更新日 2023年12月18日
コウノトリと越前市のかかわり
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コウノトリと越前市
越前市は、国の天然記念物コウノトリと縁があり、「えっちゃん」が飛来する前にも数回にわたって飛来しています。
コウノトリと越前市のかかわりをご紹介します。
矢船町に飛来したコウノトリ
昭和30年4月、矢船町に2羽のコウノトリが飛来しました。矢船町では、子供たちも含め住民全体により、観察場所が取り決められ、保護活動が行われました。また、電柱に巣をかけていましたが、台風で飛ばされたことから、安全面を考慮し、矢船町により人工巣塔が設置されました。2羽のコウノトリは、その後9年間、矢船町に営巣し生息していました。



電柱に巣をかけたコウノトリ(矢船町)
白山・坂口地区に「コウちゃん」飛来
昭和45年12月、白山・坂口地区に1羽のコウノトリが飛来しました。地元の子供達はコウノトリの観察を行い、このコウノトリに「コウちゃん」という名前を付けました。しかし「コウちゃん」は、下クチバシが折れていてうまく餌が捕れないことがわかりました。餌捕りなど、地元住民や子供達による熱心な保護活動が行われましたが、衰弱したため捕獲され豊岡市の保護増殖施設に送られました。「コウちゃん」は、豊岡で「武生」と名付けられ、34年間大切に飼育され、1羽の子供と4羽の孫を残しました。


くちばしの折れたコウノトリ「コウちゃん」
越前市のコウノトリ年表
年号 | 出来事 |
明治43年 | 狩猟法改正により保護鳥に指定。 |
昭和28年 | 3月31日、地域を定めず国の天然記念物に指定。 |
昭和30年 | 4月、武生市矢放町に二羽飛来。 |
昭和31年 | 3月、武生市矢船町の電柱に営巣したがカラスの巣として取り除かれる。 |
7月19日、国の特別天然記念物に指定。 | |
昭和32年 | 3月22日、武生市矢船町の電柱上に営巣、兵庫県以外では大正以来の記録として全国の話題となる。 |
昭和34年 | 6月、武生市コウノトリ保護会発足。 |
7月、武生市矢船町に人工巣塔を立てる。 | |
昭和35年 | 5月、武生市矢船町の人工巣塔に営巣、産卵したが孵化せず。 |
昭和38年 | 1月、俗に三八豪雪と呼ばれる大雪におそわれる。武生市のコウノトリに給餌を強化。 |
5月、越前市北日野地区一帯で農業構造改善事業計画発表、人工巣塔の移転を検討。 | |
5月、武生市矢船地区の水田にヘリコプターによる農薬の空中散布を実施。二羽が一時姿を消す。 | |
6月、武生市から一羽姿を消す。 | |
7月、小浜市で一羽増え、三羽となる。武生市からの移動と考えられる。 | |
12月、武生市に新しい人工巣塔完成。 | |
昭和39年 | 3月、武生市矢船町に残る一羽姿を消す。 |
5月10日、福井県鳥にコウノトリを指定。 | |
昭和42年 | 12月6日、福井県鳥コウノトリを「ツグミ」に指定変更。 |
昭和45年 |
12月2日、武生市白山地区内にくちばしが折れた一羽が飛来。 地区児童により「コウちゃん」と名付けなれる。 |
昭和46年 |
2月27日、くちばしが折れた鳥を保護捕獲して兵庫県豊岡市の人工飼育場へ移送。 「武生」と命名され飼育を始める。 |
昭和52年 | 1月25日、武生市横市町に一羽飛来。 |
平成6年 | 「コウちゃん(武生)」の娘「紫」孵化。 |
平成17年 |
「コウちゃん(武生)」の孫となる「紫」の子供四羽が孵化する。 「コウちゃん(武生)」国内飼育最長記録34年と子一羽、孫四羽を遺し死亡。 |
平成22年 | 4月、豊岡市から巣立った放鳥2世のコウノトリが越前市白山地区に飛来。 |
「えっちゃん」と命名され、越前市王子保地区などに滞在。 | |
11月6日、「コウちゃん」の孫となる「紫」の子(通称、「唐子」)がはく製で越前市に戻る。 | |
平成23年 | 3月、「えっちゃん」が越前市に再飛来。 |
(注)林 武雄 著「帰らぬつばさ」より引用

はく製となって越前市に戻った「唐子」

越前市に再飛来した「えっちゃん」
